人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ナポリ・ベルエポック
みなさんこんにちは。
ハロウィンが終わった頃からちらほらクリスマスの飾り付けが目につくようになりましたが、12月8日のインマコラータの日(聖母マリアがその母親の胎内に宿ったとされる日。多分・・?)から一気にクリスマスモードに突入しました。
不景気ながらプレゼントを選ぶ買い物客などで人出も多くなって、イルミネーションもあちこちに出現。
ナポリ・ベルエポック_e0224461_4171679.jpg

さて、先日、ウンベルト一世のガッレリアの地下にできたちょっと面白いお店に行ってみました。
Le Cirqueという名のこのスペースは、1800年代末にガッレリアが建設されたすぐ後に作られた地下の劇場「Salone Margherita(サローネ・マルゲリータ)」のフォワイエ(幕間にお茶などを飲んだりするホール)だったところです。
ナポリ・ベルエポック_e0224461_420775.jpg

このSalone Margheritaというのは、正統派オペラを上演するサンカルロ劇場に対し、自由な雰囲気でコーヒーやお酒を飲みながらシャンソンやフレンチカンカンなどを見せる劇場で、市民はもちろん、王侯貴族も変装してお忍びで通ったりしたそうです。
そういう場所をCafe’ Chantant(カフェ・シャンタン=歌うカフェ)と呼ぶのですが、18世紀のパリに誕生し、イタリアにもその文化が伝わって、当時のナポリではパリと競う程のレベルの高いエンターテイメントが毎夜繰り広げられていたようです。
当時のブルジョワの間ではパリ風であることがステイタスだったようで、メニューはフランス語で書かれ、お客も給仕もフランス語で話し、出演者との契約書もフランス語で作成されていたとか。

Salone Margheritaは19世紀末に誕生したものの、20世紀に入ってからは往時の活気はなくなり、第二次大戦では爆撃を受けて破壊されたりしましたが、1982年まではとりあえず営業していたようです。
そしてここも近年、新装オープンし、今はタンゴの夕べやお芝居などが上演されているようです。
行ったことがないのですが写真を見るとこんな感じでとても素敵。
ナポリ・ベルエポック_e0224461_4264594.jpg


こちらのLe Cirqueも、様々な遊戯施設として使われていたのが、今年になって有志グループが内装をし直し、カフェとレストラン、そして不定期にサーカスやカンツォーネ・ナポレターノの舞台などを企画しています。
ビリヤード場として営業していた頃のもの。
ナポリ・ベルエポック_e0224461_428858.jpg

一風変わった装飾品たち。
ナポリ・ベルエポック_e0224461_4272850.jpg

この日はカンツォーネ・ナポレターノのコンサートがあり、年配の人たちがたくさん来ていました。
ナポリ・ベルエポック_e0224461_4282336.jpg

ナポリは歴史的財産の多い街ですが、予算不足の為、なかなかそういうものを修復して活用することができないでいます。
時々こういう風に有志グループが古い建物などに手を入れて、営利目的半分、町の再興目的半分で再利用していますが、なんとなく、どこもあまりうまく行っていないような雰囲気。
よく日本からのお客様に、カンツォーネ・ナポレターノを聴きに行きたいのだけど、と聞かれるのですが、実際のところ、本場でありながらナポリにはそういった店がとても少ないのです。
このLe Cirque、12月からレストラン業務も始め、お食事もできるようになったので、がんばってお客さんを増やして、定期的にナポリ民謡の夕べも企画してくれるといいな・・・と期待しています。


Yumi

www.zenzeronline.it

にほんブログ村 旅行ブログ イタリア旅行へ
にほんブログ村
by zenzeronline | 2014-12-15 20:00
<< 引っ越しと年の瀬 スペイン人地区のトラットリア >>



旅行会社 ZENZERO のレジーナとトニアが、南イタリア情報をお届けします。
by zenzeronline