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ミミのこと
みなさんこんにちは!
今回は私の義父、ミミについて。
ミミとは、ドメニコというイタリアには多い名前の愛称で、家族や友達から彼はミミと呼ばれているんです。
こんなじいさんがミミ、と最初は笑ってしまいましたが。
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ミミはナポリの北にあるカセルタ県のマッダローニという小さな町で8人兄弟の中に生まれます。
大きくなると父親の手習いで仕立て屋の仕事を始め、一人前になると同じ町の女の子と結婚し、子供が次々と生まれます。ナポリに工房を開いて、しばらくはマッダローニとナポリを往復する日々でしたが、40代になると、妻と8人の子供を引き連れてナポリに引っ越してきます。
腕もよく、時期も良かったおかげで仕事はまあ順調だったみたいですが、あまり妻や子供をかえりみず、当時から好き勝手なことをしていたようです。

一家10人の暮らしを支えてきた足踏みミシン
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工房はにぎやかなダンテ広場の近くにあったので、私もよく寄ってお茶を飲んだり友達を連れて行ったりしたものでした。
日本人の嫁が来てからは、日本人に親近感を持ったようで、突然、「この人がもうお昼を食べたか聞け!」という電話があったりしました。「なんで?」と聞いても、「いいから聞けばいいんだ!」と。
道行く日本人観光客にご飯をご馳走したかったらしく、「まだだって」と言うと、「じゃあ、俺のとこで食べていけと言え!」と。
親切な話だけど、義父にしてもその捕まった人にしても、そんな単純なことすら分かりあえない相手と一緒にご飯食べて、なにが楽しいんでしょうか。
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この1月で90歳になったミミ。
耳も全然遠くないし、ウンザリするほど呆けていません。
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今では孫が15人、ひ孫が5人いる大家族のドンですが、いつまでも自分が仕切らないと気が済まない性格ゆえ、みんなうるさがってあまり寄りつかなくなってしまいました。
でも私には最初から優しかったし、遊びに行けばすごく嬉しそうに迎えてくれる、愛すべき義父です。料理も上手で、私はこの人からいろんな料理の秘訣を教えてもらったものです。

苦労かけ続けの義母と
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結局誰も後を継がず、数年前に工房も閉めて殆ど一日中郊外の家にいるミミ。家でもいつもネクタイを締めているダンディーな彼は、都会人の自分はこんな田舎のジジイ達とは付き合えない、と決め付けているため、近所に友達もできません。
そんなワケで退屈して義母や子供たちに当たり散らして、ますますみんなから敬遠されているのです。

イタリアにも「雑草は死なない」という、憎まれっ子世にはばかるみたいな諺があるので、この人も当分は元気でいてくれることでしょう。
・・・言葉が違うのもいいもんですね、こんなこと書けて。

Yumi

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by zenzeronline | 2016-01-24 20:00 | ナポリから
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